インディアンにはなぜ虫歯がないのか?
インディアンには虫歯がありません。インディアンだけでなく、世界中昔の伝統を守って生活している民族は虫歯を知りません。またそれだけでなく、歯周病や歯並びの悪い人もいないのです。なぜでしょうか?
彼らに共通する事は、食べ物が粗削りで加工が少ないことです。よく噛まなければ飲み込めないし、食べ物を全体として食べるために栄養の偏りがなく、豊富な繊維質が摂れます。また、よく噛めばあごの骨と筋肉が発達するため、あごの大きさと歯の大きさの不調和による歯列不正がなくなります。
しかし、彼らの生活が近代文明に侵され食生活が変化すると、虫歯と歯周病がまん延し始め、第2世代では歯列不正も現れています。歯科の3大疾患と呼ばれる虫歯・歯周病・歯列不正は、現代の食生活がもたらす文明病なのです。
繊維質を十分摂ること・よく噛むことは歯の健康だけでなく、体の健康にも大切なことです。歯の健康を保つ食べ物は、体にも良いのです。
あなたの食生活、もう一度見直して見てください。
虫歯はどうしてできるの?
また虫歯ができました・・・困りましたね。虫歯がどうしてできるか知っていますか?・・・自然に出来るわけではないんですよ。虫歯ができるのは歯垢の作り出す酸が歯を溶かすからです。歯垢(しこう)ってなんでしたっけ?歯の表面についた白いネバッとしたもの、それが歯垢です。歯垢(プラークともいいます)は食べかすではなく、バイ菌のかたまりです。爪楊枝の先に少しついただけの歯垢の中には、何億というバイ菌が入っています。
甘いものを食べると、歯垢の中のバイ菌が糖分を分解し、酸を作り出します。この酸はPH4前後の強い酸性で、歯の表面のエナメル質は骨より硬い組織ですが、PH5.5より強い酸には溶け始めてしまいます。(PH7は中性。これよりも低いと酸性が強くなり、高いとアルカリ性が強くなります。)
もうおわかりですね。歯垢の中のバイ菌が食べ物の中の糖分を分解して強い酸を作り、その酸が歯を溶かして穴をあけます。これが虫歯です。

Q.甘いものを食べて、歯も磨かないのに虫歯にならない人がいるのはなぜ?
A.歯垢の中のバイ菌は人によって種類が少し違います。酸を作り出す虫歯菌の多い人と少ない人がいます。幸運にも虫歯菌が少ない人は、食事やブラッシングにあまり気を使わなくてもいいかもしれません。でも油断大敵。虫歯菌が少なくても、歯槽膿漏菌は多いかもしれません。また、年齢や環境によってバイ菌の種類が変わってくることもあります。

Q.完璧なブラッシングをしたら虫歯は100%防げる?
A.理論上は完璧なブラッシングが常にできていれば虫歯はできません。でも、実際にはそれは無理。それを補うのが糖分のコントロールです。下の図を見て下さい。糖分・バイ菌・歯の三つが重なったところが虫歯です。ブラッシングと糖分をコントロールすることで虫歯のリスクが小さくなるのが分かりますか?いくらブラッシングをしても糖分が次々と入ってくるのではバイ菌に餌を与えているようなものです。

Q.甘いものは嫌いなのになぜ虫歯ができるの?
A.甘いお菓子だけでなく、ジュースや缶コーヒーなどの清涼飲料水・のど飴・チューインガムなどにも糖分は含まれています。また、「シュガーレス」と表示されている食品の成分をよく確かめてみて下さい。水飴や果糖は入っていませんか?糖分は気がつかないうちに口にしているものです。主食、間食、飲み物に気をつけていないと砂糖漬けになってしまいます。

最後にもう一つ「唾液」のこと
唾液(つば)には歯垢を作り出す酸を中和する能力があります。緩衡能といいます。唾液のたくさん出る人と出ない人の間に虫歯の発生率の差があることも分かってきました。他にも、発ガン物質を抑制する、消化吸収の助けになるなど、唾液の有効性が注目されています。「唾を吐く」なんてもったいないことですね。唾液をたくさん出す為には、よく噛むことです。よく噛むためには柔らかいメニュー中心の食事ではいけません。食事は時間をかけ、よく噛んで腹八分目に。虫歯や歯槽膿漏の予防だけでなく、すべての健康の基本です。
かぶせた冠、中の歯はだいじょうぶですか?
歯の表面はエナメル質でできていて、これが歯を保護しています。しかし、虫歯などで痛んでしまった歯は、冠を使って修復をしなければなりませんが、不適切な冠が入っていても、不快感を感じないこともあります。そして、治療したからと安心していると、不適切な冠では気がつかないうちに様々な問題を引き起こしてしまいます。歯・歯肉・骨や噛み合わせの病気はほとんどが自覚症状のないままに進行していきます。たった一つの不適切な冠が、お口全体を壊してしまうこともあるのです。
適合性・機能性・清掃性・審美性を十分に考慮した質の高い冠は、見た目の美しさだけではなく、歯を細菌や力から守り、虫歯や歯槽膿漏を防ぎます。

痛んだ部分を取り除き、冠をかぶせるために削られた歯は、エナメル質の保護がなくなっています。再び虫歯になりやすい場所ですから、削られた歯を正確に被わなくてはなりません。

膨れすぎた冠や、歯と段差のある冠は、唾液や食べ物の流れをさまたげて自浄作用を低下させます。そして歯ブラシもあてにくいのでブラッシングも難しく、歯槽膿漏の原因となります。

歯の噛む面は平らではありません。山や谷のないのっぺらぼうな冠は、食べ物をかみくだき、味わう力が弱くなってしまうので、歯や骨への負担が大きくなります。
根管治療っていったい何のこと?
虫歯がしみたり痛くてしょうがないとき、神経を抜いてしまえば今までの痛みがウソの様に消えて楽になります。でも痛みが無くなったからといって虫歯が治ったわけではありません。むしろその後が肝心で、神経を抜いてしまった歯が一生使えるかどうかは根管治療にかかっているのです。さて、それほど大切な根管治療とはいったい何なのでしょうか?
もともと歯の中にあった神経をとってしまったわけですから、歯の中には複雑な形をした空洞(根管)が残ります。そこをきれいにして、中が腐らないように薬を隙間な詰めるのが根管治療です。ですから、神経を抜いたまま放っておいてはいけません。中が腐って根の先端から浸み出して、歯を支えている骨の中に膿の袋を作ります。また、治療済みの歯でも空洞に隙間があったり汚れが残っていると、膿の袋を作ることもあります。
今は痛みがなく噛めるからといっても安心はできません。この病気は、ほとんど症状がないのです。そして突然爆発して顎を腫らしたり、バイ菌が膿の袋から血流に乗って、心臓や腎臓で悪さをすることだってあります。しかし、適切な根管治療が行われれば、神経をぬいてしまった歯や、神経が死んで腐りかけている歯も、よみがえることも可能なのです。
 
 
 
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